その女、最強総長【完】
「妊…娠…した……ッ。」
その言葉に、今度は仁が時を止めてしまう。
だが、顔色一つ変えない。
やっぱり、迷惑だよね。
まだ、若い……し。
両肩をガシッと捕まれる。
「………!」
いきなりで、体を大きく揺らす。
仁の表情は髪の毛で隠れてしまって見えない。
「本当に?」
「市販で売ってる検査薬だから、確証は出来ないけど……多分ほぼ。」
「ありがとう……!」
仁は満面の笑みを見せ、予想とは全く異なった反応を見せた。
目を潤ませながら、仁は何度もありがとう、と言って喜んでくれた。
ずっと、不安を感じていた私が馬鹿みたいだった。
「最高の贈り物だ。」
「だね。」
仁は私のパジャマのボタンを止めて、冷やさない様にと毛布をもう一枚掛けてくれた。