その女、最強総長【完】
「でも……、私ちゃんとしたお母さんになれるか解んない。」
仁は黙って私の話を聞いてくれた。
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「アンタを引き取った事が私の人生の汚点だわ。」
あの人はそんなことを私に毎日言った。
だったら、何で私を引き取ったの?と、毎日心の中で呟いた。
私が産まれて直ぐ、施設に預けられた、もう蘭が居るから二人も要らない。
それだけの理由で。
それなりに普通の人生を送った私に転機が訪れたのは6歳の時だった。
私を育ててくれるという、里親が見つかったのだ。
初めこそ優しく接してくれたが、本当に初めだけだった。
暴行なんて日常茶飯事。
人型サウンドバック。
そんな気分だった。