その女、最強総長【完】
そんな私にまたまた転機が訪れたのであった。
今思えば、本当に波乱万丈な人生だ。
小学6年生の夏休み。
蘭が突然やってきた。
「凛、俺と一緒に暮らさないか?」
いきなりそう言われた。
素性もなにも知らないって言うのに、私はコクリと頷いた。
その帰り道、兄弟という事実を知らされた。
それからの生活は夢の様だった。
蘭と居た時間は少ないけども、蘭は私の一部なくらい大切な存在となった。
でも、私の゛家族゛という言葉には母や、父を含めた意味なんて全く無かった。
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「……俺と似てる。」
「え?」
「俺は高校まで施設育ち。だから、俺だって父親というものがどういうものかなんて解らない。」
「そっか……。」
何も、言えなかった。