その女、最強総長【完】
「センセの部屋?」
「…ん。」
私をゆっくりと床に降ろす。
コンコンッ
仁が珍しくノックをして部屋に入る。
「おぉ、仁じゃないか。」
今となっては下で名前を呼ぶ仲の仁とセンセ。
「お久しぶりです。」
「今日は一体どうしたんだ?」
「凛が妊娠したか検査して欲しいんです。」
「ににににに、妊娠!?」
驚きまくって今にもひっくりかえりそうなセンセ。
と、思ったら何時もの医者の表情に戻って。
「お前、ちゃんと覚悟は出来てるんだろうな?」
「出来てます。」
「餓鬼はうるせえし金はかかるし言うことは聞かねえし…もし、凛にもしもの事があったら……お前一人で…」
「わかってます…!」
その後の言葉を拒絶するかの様に仁はセンセを遮る。
「そうか……、その言葉忘れるんじゃねえぞ?じゃあ、検査始めるから。」
「はい。ありがとうございます…!」
私は始終口を開けたまんま、二人のやり取りを見ていた。
言われるがままに診察台に乗せられてそのまま検査が始まった。