その女、最強総長【完】
「おめでとう、凛。もう三週目に入ってるよ。今のところ異常もとくに無いみたいだし、このまま行けば7月くらいには出産を迎えられるよ。」
「やったあ……ッ」
安堵の溜め息が漏れる。
仁をチラリと見てみると口元が綻んでいるのが分かる。
「ただし、自分の身体の事わかってるよな?」
コクリと小さく頷く。
「出産ってものは、健康体な人でも危険を伴うんだ。凛は病気の事もある。途中で流産してしまうかもしれないし、出産時には凛だってかなり危険な状態になる可能性が高い。その事を頭に記憶しておけよ?」
「はい。」
センセの言う通りだ。
只でさえ私がこんな状態だから、赤ちゃんにはいつ何があるかあっても可笑しくないんだ。
「じゃあ、診察終わり。」
「ありがとうございました。」
仁が一礼して、センセの部屋を出た。