その女、最強総長【完】
キオク
もう、雪の白さにもすっかり慣れた時期。
「うっ……」
流し台に駆け込む。
お腹はだんだんと大きくなって我が子の成長を感じていた。
成長と共に、身体の負担が大きくなり、限界が近いことも同時に感じていた。
「大丈夫?」
「うん、心配しないで。」
背中を優しく擦ってくれる仁。
仁にだけは、心配かけたくなくて私は無理矢理笑顔を作った。
仁は私の頬を軽くつねって
゛無理矢理笑うな゛
って、直ぐにバレてしまった。
服用するクスリの量も自然と多くなっていて
副作用だって当然あるわけで、前までの自慢の長髪もだんだんと薄くなっていってるのだって
骨の様な身体つきになってるのだって
仁は言わないけど、全部わかってる。
それが、仁の優しさだって事もわかってる。