その女、最強総長【完】
「落ち着いて。」
「仁こそ……ね。」
私は看護師さんとセンセに運ばれて陣痛室に移される。
う、結構痛いかも。
今更になって大きな痛みを感じる。
「大丈夫?」
「うん。」
「大丈夫?」
「うん。」
一分置きに聞いてくる大丈夫に少し呆れる。
仁さんが、一番落ち着いて下さい。
と、言いたくなる。
代弁してくれたのはセンセ。
「仁、お前落ち着け。」
「しゅん……」
とは言っていないが、仁は肩を落とし引き続きソワソワした。
こんな時でも仁を可愛いと思ってしまう重症さだった。