ねがい


「見た?あの転校生」


またその話題をしている女子の集団とすれ違った。


「見た見た!あれ、絶対浅井さんだよ!」


急に耳に飛び込んできた、
あたしの名前。


無意識にもビクッとする。


「てか、今すれ違ったよね?」


やっぱり、あたし…?


「やばい!絶対双子だってー!」


ふいに聞こえた、“双子”という単語。


その単語にさらにあたしはビクッとした。



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