ねがい
理由
「泣き止んだ?」
「うん…大丈夫」
改めて、真穂と向かい合って座った。
「晶穂、ここで一人住んでるの?」
「うん、大家のおばさんがタダで部屋貸してくれてるから…狭いけど」
大家のおばさんはお母さんの知り合いで、昔あたしたちの家に居候してたことがあるらしい。
だからあたしはタダで貸してもらえた。
「へぇー…あのおばさんがね…」
真穂はあたしが入れたコーヒーをすすりながら言った。
「真穂はどこに住んでるの?」
すると真穂は少し顔を歪ませた。