ある冬の日に。[冬]
そして春が訪れ、夏が来て、秋が過ぎる。


季節は冬、辺りには彼女の香り、雪の香りが漂い始める。


ある冬の日、俺は公園に出かける。


一人きりの白い世界。


振り返ると彼女がいた。

去年と変わらない姿で…。

変わらない愛しさで…。


彼女は、冬の妖精は言った。


「私ね。雪の匂いが好き。

変なこというでしょ?」

変わらない微笑みを俺に向けて。



俺は言う。


幾つの言葉を重ねても表しきれない思いの全てを込めて。



「そんなことないよ。


俺も、好きだから。」



-終-
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