ある冬の日に。[冬]
それからコンビニに行く道も、コンビニにいる間も俺の頭の中は彼女で埋め尽くされていた。

「もしかしたら。」

もしかしたら彼女はまだ、いるかもしれない。

そう考えると足は独りでに速くなっている。

コンビニの袋をガサガサとさせながら俺は公園へと向かった。

「いた。」

彼女は寸分たがわぬ位置に立っていた。

が、どうしようか。

いきなり話かけてもおかしいだろう。

変なやつだと思われるだろうか。

………。

俺は少し考えた結果、夜更けに女性が一人でつっ立ってるのを不思議&心配に思い声をかけた。

というシナリオでいくことにした。

間違っても「あなたが妖精みたいに見えたから」なんて本心は言えない。
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