またいつか
腕の中
『男に言うほめ言葉じゃない』なんて皮肉言っているけど、自分が微笑んでいることにあなたは気づいているのかしら?
拗ねたフリで横を向いた次の瞬間、私はあなたの腕の中にいた。
「ごめんなさい!つい…」
私がびっくりしていると、彼は謝って私から離れようとした。
「や…」
もっとびっくりしたのは自分があなたの服の袖をつかんでいたから。
だって、あなたの腕の中は一瞬だったけれどとても暖かくて…
一瞬だったけれど、すごく安心したの。
「ぁ…の…もう少しだけ…」
そう言ってしまった自分に、本当に呆れたわ。
こんなの、ただの軽い女じゃない。
でもあなたは優しく微笑んで、『はい。お姫様』なんて私を抱きしめてくれた。