【続】SWEET*AFTER7〜ハジメテの社内恋愛〜
「食べてくれてる~…!」



その姿を見て、急激に嬉しさが込み上げてきた。


最初はネット販売が主だったから、買う人の顔なんて見えなかったけれど…

ここへ来ればその人達の“生”の表情や様子が見れるんだ。



「たまにはこうやって客観的に観察するのもいいだろ?」



あたしが言う前から気付いていたらしい拓海さんは、したり顔で微笑む。



「求められてる物を作って提供して、そこで終わりじゃダメなんだよ。

大事なのは、相手がそれで満足してくれるかどうかだからな」



そう、今日ここへ来るのはあたしにとって必要なことだったんだ。


“仕事気分が抜けない”なんて思ってた自分が、ちょっとだけ恥ずかしくなる。


< 110 / 295 >

この作品をシェア

pagetop