【続】SWEET*AFTER7〜ハジメテの社内恋愛〜
拓海さんの言葉に、あたしも心の中で頷く。


気が付くとあたしや篠原部長だけでなく、その場にいた社員皆が拓海さんの声に耳を傾けていた。



「だからこそ、俺はあえてこの機会に試してみたんだよ。
新栄が豪華さで勝負するなら、俺達は家庭的な温かさをアピールしてみようと思って。

…ま、結果はこの通りだけどな」



拓海さんが不敵な笑みを向けると、部長は“やれやれ”という感じで笑いを漏らした。



「澤村…お前、ずいぶん考えが丸くなったというか優しくなったというか…。
会社のためなら色々と容赦なくやってた頃となんか変わったな」



しみじみと部長に言われ、拓海さんは伏し目がちにふっと柔らかな笑みを浮かべた。


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