【続】SWEET*AFTER7〜ハジメテの社内恋愛〜
「ちょっとある人に教えられてね…」



そうぽつりと呟いた拓海さんは、伏せていた目を開けて不意にあたしに視線を向ける。


ほんの一瞬目が合ってドキッとしたと同時に、二人であたしの家に行った帰りに話した時のことが蘇ってきた。



『雅の家みたいな、明るくて賑やかな家庭に憧れてたのかも』



──もしかして…

あれがキッカケで考えたことなの?


もしそうだとしたら、なんだかすごく嬉しい。




「しょーがねぇ、今日飲みに行くか!」


「嫌だね」


「おい!この間のタクシー代分奢れよ!」



言い合いながら仲良くじゃれる二人を横目に、あたしも思わずニヤけながら仕事を再開した。




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