*サザンビーチ*



それでも父方の祖父母には、

ちょくちょく顔を見せに行ってた。

オトンがオトンじゃなくなったって

おじいちゃん、おばあちゃんが

おじいちゃん、

おばあちゃんじゃなくなるのは

なんか違うと思ったから。


でも、その年の夏

おじいちゃんが亡くなった。

大好きやったおじいちゃん。


他人に厳しく、身内に甘い

おばあちゃんは行く度に、

「お父さんが麻里ちゃんに

会いたがってたよ」と言う。

その度に、おばあちゃんは、

やっぱりオトンの味方なんやって

思い知らされた。

それが億劫で、

訪れる回数は減っていったと思う。

オトンどんな顔して会えるん??

別に恨んでなんかないけど、

二度と会ったるつもりなんかない。



多分下手くそに笑っとった気がする。




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