*サザンビーチ*
中学校
これから始まる新しい生活に
期待半分、不安半分…
色んな思いに胸膨らませてた女の子は
まだまだ子供で、
ただの12歳で。
でもうちは自分のこと子供やとか
思ってなかった…
いつからかな??
甘え方なんか忘れてもうたん。
気に入られ方なんか覚えてもうたんは。
祖父母の家に遊びに来た親戚は皆、口を揃えて
「麻里ちゃんはえらいね。」
「お父さんがおらんのに。」って言う。
「えらい?何が?
えらいのはオカンやろ??」
…もしうちが言ったとしたら
次に返ってくる言葉はわかってた。
だから「そんなことないですよ。」って
遠慮がちに困った顔をして見せた
健気で可哀相な子って思われるように。
この頃には親戚に対して
敬語で話すことが板についてたと思う。
"片親やから"って言葉を
オカンが聞かずに済むように。
ただそれだけやねん。