狼少女と初恋。


彼が振り向くと、


「…志祐梨。」


覚えててくれた。
私の目を見て、名を呼んでくれた。
久々の感覚に、胸を躍らせる。

「久しぶり!」

「あぁ、大きくなって…ないか。」

私の頭を見て、発言する。

「大きくなったし!」

身長の事だろうと思い、
ムカついて反論する。
再会して最初の会話が
それなのか?

「身長もだけど、
 他も成長してないみたいだな。」

他の所、胸を見ながら言った。
失礼な…!
確かにあの時よりも
カップは大きくなってないけど…。

「大きくなったし!」

先ほどと同じ返答をする。
ただ、嘘なのだが。
早速狼が出てきてしまった。
もっと、素直になりたいのに。
口をつくのは強がりな
言葉だけで…。
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