狼少女と初恋。


「ある日の事、
 俺達はいつものように
 家で遊んでいた。」

・・・ズキ・・・。
家で遊ぶほど、仲良かったんだ。

「そうしたら、1本の電話。」

私は幼い頃遊んだ那月の
モノクロの部屋を思い出す。

「浮気相手・・・いや
 俺が浮気相手かもしれないが。」

寂しそうな顔しないでよ。
本当に好きだったみたいじゃん。

「相手の名を呼んで、
 ひたすら愛してる、好きだ、愛してる。
 そう・・・呟いていた。」

紗那さんのばか。
那月にこんな顔させないでよ。

「そうして、連絡が途絶え始めた。」

そりゃ、そうだよ。
あの狭い部屋でする
会話は全てダダ漏れ。
気まずくなるのは、当たり前だもん。

「・・・・・・ごめんな、こんな話して。」
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