狼少女と初恋。
ハァハァ…。
乱れた息を整え、
扉を開けてみる。
殺風景な真っ白な景色とともに
鼻につく薬品の香りがする。
…よかった、
誰もいないみたい。
ベットと思われる
カーテンを開けると、
「…誰…?」
ぼさぼさの髪の毛。
羽織っているのは白衣。
保険医のようで、
私の問いかけに答えない。
眠っているようだ。
「休ませてもらいます…。」
「ダメです。」
起きてたの!?
驚いた私は、
2・3歩後退する。
「おはようございます…?」
疑問形になってしまった投げかけは
教師にとってツボだったらしく、
くっくっくと腹を抱えて笑っている。
「きちんと、
病状を記入してから
休んでください。」
あ、まともだ。
見た目以上にまともだ。
「あと、僕の名前は
鷹凪です、以後お見知りおきを。」
最初の質問の答えが、
思わぬところで返された。
真面目そう…。
最初に抱いた印象だった。