狼少女と初恋。
拒絶。
_____翌日。
いつもの癖で、
玄関を開け、挨拶する。
「おはよ…、そっか。」
那月の事を避け、
いつもより、早めに起きて
出たことを思い出した。
…いや。
眠れなかったんだ。
目の下には赤い跡。
昨日の言葉が何度も
反芻してやまない。
『嫌いだ。』
何でこんなに
くっきりと頭に残ってるのかな?
もう、那月の笑顔より、
あの時の曇った顔しか思い出せない。
重い足取りで学校へ向かう私。
後ろからの、思い切りのいい
踏み切り音に気付かずに。