スノードロップ
あの一件以来、男はスノウの元を訪れなくなった。眠りから覚めると部屋には大量のプレゼントが置かれている。けれど、姿を見ることはなかった。そればかりか、当番の男がいつものようにやってきて、「塔の外に出ますか?」と訊いてきた。あの男の指示で、監視の目があるところならば、塔を出ても構わないのだという。
プレゼントは、相変わらず窓から投げ捨てている。あの男からの贈り物など、触れたくもない。だが、スノウは当番の者の問いかけに、迷わず頷いていた。
初めてあの男からのプレゼントを受け取ったのだ。