どうして好きなんだろう

「なんで?」

さっきまでの甘いハスキーボイスとは一変して、いつもよりももっと低い声で、鋭い目つきで返される。

あ、しまった…また面倒くさいことになっちゃうよ…。


義人は、はっきり言って極度の心配性、もしくは嫉妬病。

私が他の男の子の話をするとあからさまに嫌な顔をする。

表情だけじゃなくって、今のように声からもいつもの甘さなんて微塵もなく消え去ってしまう。


こういう時は、謝っちゃうのが一番手っ取り早い。

「ううん、ごめん。義人の友達で見たことない人だったから。」

「てか、理央あんまりオレの友達しらないじゃん?」

うぅ……まだ機嫌戻らない。

< 12 / 215 >

この作品をシェア

pagetop