どうして好きなんだろう

ハンカチで押さえて、擦った両瞼は視界の狭さからもかなり腫れていることがわかって、小さな溜息をつく。

右手に握ったままの携帯のウインドウには着信メールがあることを知らせるライトが点滅している。

のろのろと携帯のボタンを操り内容を確認すると義人からで。

『通じると思う』と素っ気無い一文と、直の携帯番号とメールアドレスが添付されていた。

そのまま登録もせずに携帯を閉じて、着替えようと起き上がると、散々泣いた所為か頭がズキズキと痛んで、また溜息が口から漏れる。


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