どうして好きなんだろう
2章
「いらっしゃいませ~。」
夕方の帰宅時間のせいか、明日が定休日のせいか、いつもより少しだけお客さんが多く感じる店内。
でもチェーン店のようにいつも多いわけじゃないから、バイトは私一人。
レジが混み合ってくると奥にいる店長も出てきてくれる。
流行のJ-POPが有線で流れる店内。
次々にレジにやってくるお客さんをさばきながら、横目で店内をぐるっと見渡す。
そんなに広くない店内。中央のレジからは大体のところが見渡せる。
あ…、今日も来た。
入り口から一番奥のアダルトコーナー。
そこだけ仕切りがしてあって、のれんで目隠しもされている。
でもいつもかぶっている帽子で、最近常連となっているおじさんが来ているとわかる。
いつも数本のアダルトビデオを借りていくおじさんだけど、私を見る目がなんとなくねっとりと気味が悪い。
借りていく内容も題名から女子高生モノだとわかる。