どうして好きなんだろう

同じ高校生くらいに見えるのに、すごく落ち着いてて男らしかった。

もしかしたら同じ学校かも?なんて思って更に言葉を続けようとすると、頭上から降ってきたのは何とも抑揚のない言葉。


「別に、あんたのためじゃない。」

私を一瞥して、さっさと店を出て行く。

あれ……。

その返事にはぁ?と顔が歪むけれど、彼のすらっとした後姿に何か引っかかる。

なんだろ?やっぱり同じ学校なのかな?

長谷川くん、って店長言ってたっけ…。

無愛想な彼が気にはなるけれど、

「理央ちゃ~ん。レジ頼むよ。」

店長の声に、再び貸し出し業務に没頭する。
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