どうして好きなんだろう
「それに学校一緒でしょ?」
店長の声が続く。
「私とですか?何年生かわかります?」
「う~ん。多分学年も一緒だと思うよ~。」
じゃあやっぱり校内で見たことあったのかな?ってまたあのすらっとした
後姿を思い浮かべるけど…同じ学年だって何百人もいるんだもん、わかるわけない。
「理央ちゃん、送ってくよ~。」
我が家からそう遠くはないけれど、遅くなった日はいつも送ってくれる店長。
それはうちの過保護ママがそうさせているんだけど。
何度断っても店長の涙目にほだされて断りきれない。
うちのお母さん、普段穏やかだけど心配が度を越すと恐くなるからね。
店長情報で多分同じ学年の長谷川くんの事もまだ聞きたかったけれど、それより鞄の中のDVDが楽しみで足早に店長の愛車に乗り込む。