どうして好きなんだろう
「…オレはなんでも理央に話すのに…。ちゃんと説明してくれたら、バイト辞めろなんて言う権利オレにはないよ?」
大きなため息と共に吐き出される予想外の甘い声。
もっと怒ったり、拗ねたりすると思ったのに…。
なぁんだ、じゃあ最初から話せばよかったよ。義人もそろそろ心配症卒業なのかも。
うん、1年も付き合ってるしね。
「うん。ごめんね。今度からはすぐ言うから。」
黙っていた後ろめたさも吹き飛び、歩き出しながら笑顔になるけど…そこにやっぱり低い声。
「でも、直とは仲良くしないで。」
「は?それって、どういう…」
「だから、もう話とかしないで。バイト中も。」
子供みたいなめちゃくちゃな要求にカチンとくる。