どうして好きなんだろう
これって…もしかしてマズイ傾向なんじゃ…。
恋愛経験の少ない私でも薄々気が付き始めている。
他の人の気持ちに疎くても私のことはすぐに気付く真尋に、彼のことを好きなのか聞かれた時点で、もう取り返しのつかないところまできてしまったのかもしれない。
反面、たまたま趣味の合う人と出会って話すのが楽しいだけなのかも…とも思う。
長谷川くんがもし女子だったとしても、映画の話をすることは楽しみになっていたんだと思うし。
そっか…じゃあ恋愛感情っていうのとはちょっと違うよね?
アリエナイ感情を否定できたことで、硬い表情をしていただろう私の頬が少し緩む。