どうして好きなんだろう

どうして…何よりも欲しかった言葉を、この人がくれるんだろう…。

出会って間もない、たいした言葉さえ交わしたことの無かった私を、どうしてこの人はその真っ直ぐな瞳で信じると。

付き合っている彼氏からも信じられていない私を。

不思議なもので、相手から信じていると言われると、私もその相手を信じたい気持ちが芽生える。

この人には彼氏という肩書きも、もしかしたら友達といえるカテゴリでもまだないのかもしれないけれど。

でも、この時の私は彼氏である義人よりも、赤の他人に毛が生えたくらいのこの人の言葉を信じたいと思ってしまっていた。

< 66 / 215 >

この作品をシェア

pagetop