どうして好きなんだろう
4章
「久しぶり…だね。」
テスト期間が終わった日。
どこの部活も活動開始していて、うちの部も珍しく活動らしいことをした放課後。
今日こそはと、映画研究会が終わった後に義人を待ち伏せした。
校門で待っている私を見てあからさまに無視されたらどうしようかとちょっとドキドキしていたけれど、目が合った義人はなぜがホッとしているように見える。
私から声をかけると、周りにいた部活仲間も目配せしながら「じゃあな」とか「明日な~」なんて義人に声をかけて先に行ってしまう。
「理央…もう会いに来てくれないかと思った…。」
弱弱しく微笑む義人に思わず胸がキュッと締められる。