どうして好きなんだろう
教室よりはひんやりする廊下を歩くと、他の教室でも進路相談が行われているのが見える。
義人は同じく地元の専門学校にするって言ってたな。
義人の成績からすれば、普通の大学なんて楽に入れちゃうほどで、先生ももったいないって何度も勧めてくれたみたいだけどね。
美容師になりたい義人はそっち方面進むみたい。
セッターポジションでレギュラーだった義人も、最後の地区大会では惜しくも敗退でベスト8どまりで。
「あ、り~お!終わった?」
こうやって校門前で私を待っている。
もう汗にまみれてボールを追いかけることがなくなった義人は、短めに遊ばせていた前髪もその他大勢の学生のように長めに流して、たまにゴムで縛っていることもある。