どうして好きなんだろう
はぁ~…お尻痛い。
バレー部の練習が終わり、今は校門横の花壇で義人を待ってるところ。
もうすっかり辺りは薄暗くなっているのをいいことに、座りっぱなしで痛むお尻を撫でる。
最近は練習みながらiPodで音楽聴きながら夕飯のことや次に見に行く予定の新作映画のコトを考えたりしているから、時間が経つのはそれなりだけど、お尻の痛さは毎回毎回半端ない。
かといってずっと立って見てるのもねぇ…それはそれで疲れるわけで。
グラウンドで練習している他の部活も片づけを済ませて帰り支度をしているらしく、さっきまで響いていた掛け声も聞こえない。
…けれど、地面を蹴る砂音が聞こえたような気がして真っ暗なグラウンドに目を凝らす。
少し肌寒い春風に乗って、規則正しく地面を蹴る音と息遣いが微かに耳に届く。
もう真っ暗なのに…まだ練習してるんだ。
姿は見えないけれど、少しずつ大きくなる足音にまた目を凝らす。