君のコト、さらっていいですか…?

出会い

とある、雨の日だった―――

サアアアアア……

私は傘もささずにびしょぬれで

なぜかボーっと座って

昼食を食べていた。

もちろん弁当もビチョビチョで

美味しいはずなかった。

私はなぜここにいるんだろう?

何をしてるんだろう…?

「ここで食べているのはなぜ……?」

小さくつぶやいた。

「んなもん、自分が一番

知ってるだろーが」

低い声が上から聞こえた。

頭に雫がのらなくなった。

「ザーザーだけど?なにしてんの?」

その人に問われた。

私に傘を渡そうとする。

「いりませんッ

私にはもったいない……」

傘を返した。

「教室戻ろ、立って」

腕を持ち上げられて抱えられて、

片手で軽々と持ち上げた。

「や、めて…重いからッ……」

抵抗した、けどおろしてもらえない。

「重いから尚更(なおさら)早く行くぞ」








___これが君との出会いだったよね?
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