君のコト、さらっていいですか…?
「顔と性格の差が激しい…」

ボソボソ言っている。

「こりゃ新手のサギだぞ」

ボソボソ言われて静かに

できるわけがない。

「ゴメンナサイ!」

棒読みで投げやりで返した。

「やっぱり傘無いの?」

いやらしく聞いてくる。

「や、優しさと言って下さいよ…」

あせりながら放った。

「屋上サン、名前は?」

いやらしく引きずってくる。

「南 莉津です…」

「ふーん、覚えとく。

あ、俺は愼樹誠一」

こりゃ絶対覚える気ないだろ!!

っていう言い方。

「よ、よろしく……」

似たような感じで言ってやった。

「何て呼べばいい?」

急にフレンドリーに聞いてきた。

「みんなに莉津と呼ばれてるので

莉津でいい…けど」

少しオドついて返した。

「俺は誠一でいいから」

「うん、わかった。誠一くん!」

少し控えめに読んでみた。

「呼び捨てでいいよ?」

「あ、でも…///」

意外に照れるもんだな、

呼び捨てってのが・・・

「じゃあ、愼樹でいいよ、呼び捨てで。

んじゃあ、傘入れてやるよ。

行くぞ、莉津」

傘を開いた。

「うん、愼樹ッ…」


初めてだったせいか相合傘に

少し緊張してしまった。


___相手が男の子だからかな?




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