温かい春の訪れ【完】

幸介は私の体を引き寄せた。
「ごめんな、彩子…俺、彩子と出会えて、幸せじゃった。いっぱいいっぱいありがとな。」

私は、幸介の胸の中でいっぱい泣いた。

「幸せなれよ?」
私は、頷けなかった。

彼はそれだけ残して電車に乗った。

「幸介っっ私のこと、忘れないで」

ガッチャン

扉が閉まる。
彼は涙を目に溜めながら何度も頷いた。

彼が、ガラス越しにこう言った。

“迎えに行く。好きやじ”



「待ってるよ…幸介、」



____別れの春



出会いがあれば、別れがある
でもきっと未来には
隣にキミがいる。

< 3 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop