温かい春の訪れ【完】
幸介は私の体を引き寄せた。
「ごめんな、彩子…俺、彩子と出会えて、幸せじゃった。いっぱいいっぱいありがとな。」
私は、幸介の胸の中でいっぱい泣いた。
「幸せなれよ?」
私は、頷けなかった。
彼はそれだけ残して電車に乗った。
「幸介っっ私のこと、忘れないで」
ガッチャン
扉が閉まる。
彼は涙を目に溜めながら何度も頷いた。
彼が、ガラス越しにこう言った。
“迎えに行く。好きやじ”
「待ってるよ…幸介、」
____別れの春
出会いがあれば、別れがある
でもきっと未来には
隣にキミがいる。