温かい春の訪れ【完】
ふたつめの春
「よろしく」
慣れない環境におどおどしていた
そんな私に声をかけてくれた彼
木ノ下篤志くん
誰とでも仲良くなれそうな
そんな雰囲気を醸し出している彼
私、麻野万由子は彼に
ドキドキさせられていた。
木ノ下くんと違って私は、引っ込み思案だから。
なかなか話せなくて。
でも、一言話したら変わるんだよ。
最初がダメなの…
彼はよく私に話しかけてくれた。
彼を通して友達も作ることができた。
「麻野は何の部活入るの!?」
友達と部活の話をしていると彼が話に入ってきた。
「バドミントン…」
友達がじゃあ、私もそうしようかなと言っているその隣で彼は優しく笑った。
「じゃあ、放課後も会えるね」
「えっ…?」
「俺、バスケ部入るから。だから、放課後も会えるね」
そんなに嬉しそうな顔で見ないで…。
期待しちゃうよ…