温かい春の訪れ【完】
みっつめの春
『もしもし?さとみ?』
半年前から片想いをしている
彼、かっちゃんこと石橋克也から
電話がかかってきた。
「かっちゃん~どしたの?」
そんな私の名前は、山浦さとみ。
嬉しくてじっとしてられなくて
部屋中をうろちょろ歩いている。
かっちゃんとはよくメールもするし
電話もする。珍しくもないのに
ドキドキする。
彼とは去年、1年のときに
同じクラスでよく喋るようになった。
2年ではクラスが離れてしまい
あまり関わりが減ったけど、
半年前に委員会が同じで1年のときのように話すようになった。
私に壁を作らず何でも話してくれる
かっちゃんにいつの間にか惹かれていた。
かっちゃんと遊ぶこともあった。
二人ではなくお互いの友達を誘って。
それでもいつの間にか私たちは
二人で盛り上がってしまってみんなに
二人で遊べばいいのにと言われる。
でもやっぱり二人きりとなると
緊張してしまう。
彼はきっとそんなこと思ったこともないんだろうな。