小悪魔王子
「もういいよ。苺香下手くそだし。」
「なっ!!」
苺香が凄い勢いで僕を睨んでいる。
そんな苺香を無視して次の命令を考える僕。
何にしよう?
あっそうだ。
「お腹すいた。何か作って。」
「何かって.....」
「そー何か。」
苺香が一人で何かぶつぶつ呟いている。
僕が『好きじゃないものは食べない。』なんて言ったら困った表情で頭を抱える苺香。
フフッ。困ってる、困ってる。
苺香の困った表情は好きだ。
だって、面白いじゃん?
「よしっ!!」
何を作るか決まったのか苺香はキッチンへ向かってく。
苺香に付いて僕も歩く。
「風斗くん?」
そんな僕の行動を不思議に思ったのだろう。
苺香は不思議そうに僕を見つめる。