小悪魔王子
ガチャッ
「.......っ風斗くん?」
リビングに入って来たのはお風呂上がりっぽい苺香。
苺香はすごく顔を歪めてる。
何?そのリアクション。
気に入らないんですけど。
「なんでそんな目で僕を見るわけ?失礼だよね。」
僕は嫌味たっぷりにそう言う。
で、多分苺香は『アンタの方が失礼だ!!』とか言うんだろうなぁ。
「.....っ、ごめん。」
「.....。」
予想外の台詞に驚く。
苺香はと言うと気まずそうに僕から離れようとしている。
何なの、コイツ。
僕が好きなら好きだって素直になればいいんだよ。
ギュッ
「ふっ風斗くん、離してっ。」
「嫌。」
僕は気づけば苺香の腕を掴んでいた。