あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】
「あ゛?あぁ…。」
彼女じゃないけどな
「お兄ちゃんずっと彼女作らなかったのに…いきなりなんでなの?」
梨央は優しく俺の腕に すり寄ってくる。
「かんけーねぇだろ?」
ふん!と梨央の手を 振り払う。
「ひどいよー?教えてくれてもいいじゃーん。」
ぶーぶーと梨央が喚く
「知るかよ。早く出てけよ」
俺はあくまで冷静に
話す。
「でも、今カノもどーせ顔目当てなんでしょ?よく付き合う気になったね、お兄ちゃん。」
梨央は俺の手をまた掴む。
顔目当て…
そういえば、そんな事にこだわったこともあったな。
百合は俺の顔だけで判断しなかったから…
でも、今は俺の顔を見てほしいってか。
かなり勝手だな、俺…。
「百合は、そーゆうんじゃねーんだよ。」
「えっ!?そんな訳ないよ。騙されてるんだよお兄ちゃん!まあ、いつも冷静なお兄ちゃんが騙される訳ないとは思うんだけど…」
『騙されてる』ねー…
「ありえねーな」
それはねーわ。
「何で!彼女の事好きな訳じゃないんでしょ?向こうが告って来たんだよね!?」
あ゛ー…?
「俺のが百合にベタぼれ。」
ん?
梨央が固まった。
フリーズ中だなこりゃ。
つか、百合にはいつも 甘い言葉を言うけど、俺 基本coolタイプだから
かなり照れるな・・・/
なんて思ってたら…
「…この前…お兄ちゃんが彼女と歩いてるの…見たんだ…。」
ぽそぽそと梨央が話しだす
「ふーん…」
俺は特にキョーミがない
「っっ!!…あんなのお兄ちゃんじゃないもん!デレデレニコニコして赤くなって…いつものcoolで完璧なお兄ちゃんじゃないっ!!!」
涙目になって必死に叫ぶ
端から見たらそんなんなんだ?
デレデレねぇ…
んーしてるかもね。
なんせ今の俺には百合しか見えてねぇし?
「お兄ちゃんは…絶対…完璧でなくちゃダメ。」
はぁ…。
「お前なぁ?」