あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】
「お前、むちゃくちゃ言ってんぞ?」
あきれた表情で言う。
「お兄ちゃんが誰と付き合っても文句はないけど、」
嘘つけ。
いつも邪魔してくるしゃ
ねーか。
「完璧なお兄ちゃんじゃなくなるのは嫌!!」
はあ?意味わかんね。
「ほんと意味分かんねーよ。俺、完璧なんて思ったことねーし。梨央うぜぇ。」
キッと梨央は俺を睨む。
で、泣き出す…。
いつものパターンだ。
ただいつもなら、ほっておくんだがあいにくここは俺の部屋。
「ウッ…ッ…お兄ちゃんは……いつも冷たいけど…何でもできるから…みんな完璧でカッコいいって…ッ…」
涙がボロボロ零れ落ちながら梨央は話す。
誰のベッドだと思ってんだよ…
~~~っっ!!
「ほら。」
俺はハンカチを梨央に
渡す。
「…お兄ちゃ…!ありがと。」
梨央はハンカチで涙を
抑える。
「そんな、さり気ない優しさもカッコいいって…思う…」
まだ言うか?
「俺は別に自分でcoolだとかも思ってないし…つか、さっきから何が言いたい訳?」
「…お兄ちゃんのだらしない態度はカッコ悪い!私のたった一人の自慢のお兄ちゃんだからいつまでも完璧でいて。」