あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】
「だっWデートぉ!?」
私は叫んでしまった。
「そっ。」
奈美が当然かのように
返事する。
「ぜってぇ」
「行きたいっっ!!」
勇輝がは?って
顔をする。
ぜってぇ無理って
言うとこだった
気がする……。
でも行きたいもん!
「なっ。百合
行きたいもんな?」
爽也が笑って言う。
「うんっ!!」
勇輝の反応は…と
うわっ
なにその苦い物食べた
みたいな顔…。
「勇輝、行こうよー」
私は勇輝の手を握る
「えぇ?
いや、普通に考えて
マジありえねーん
ですけど…」
まさかの引き気味!?
でもWデートだよ?
憧れだよー?
よくあるじゃん、
こういうの!!
でも、勇輝の顔を
見ると気を使って
笑うから
顔が引きつってる…。
そうだよね、
考えなきゃだよね…
「勇輝男じゃねーよ?
そこで譲んのが
普通だろ?」
爽也はニヤニヤ。
「っせーな!!んな事…」
うぅ、めちゃ残念だけど…
「勇輝、やっぱり
やめとこ?
私、それでいいからさ?
2人で行こうよ。」
勇輝、背高い…
見上げる形になる。
「~~~~~~っっ!」
「分かったよ!!
行こうぜ、Wデートっ!」
えっ!?
「いいの?」
私の目が輝く…
分かりやすい私。
「んっ。」
頷く勇輝の顔は
精一杯の笑顔って
感じだけど…
「嬉しいっ!」
私はニコッと笑う。