あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】
「来いよ。」
私は手招きする
「は?俺のセリフなんだけど。
つか、余裕ありすぎだろ。
知らねーからな!?」
はぁ。
いいやつなのか
よく分からないね…
「早く来いって。」
ダルいんだよ
早く終わらそ?
「百合さんっ!!止めときましょうよ!?
実敦さんは、空手の
黒帯で…」
直人くんが焦る。
そこに勇輝が口を挟む
「っせぇよ。口挟むなや、直人!!」
「すいません、でも…」
「黙って見とけっつの。」
直人くんは黙り込んだ
勇輝言いすぎだよ~
爽也は爽也で
実敦さんにちょっかい
出してるし…。
「本気でやれよ?北野」
「…殺すぞカス。」
「こっぇーなぁ!」
爽也はニヤニヤしすぎ
なんだって。
相手不快になるから…
はぁ…
「来ないなら行きますよ?」
私はダッと
実敦さんに近寄った。
「ふぅ、こんなもんでしょ」
目の前には
気絶した実敦さん。
あと、
ぼーぜんと見てる
直人くん。可愛いっ
「よし、遊ぼー♪」
奈美は私の手をとる
「えぇっ!?
実敦さんこのままじゃ
ダメでしょ?」
「…あ、俺連れて行きます。」
直人くんが
ハッと口を開いた
「わりぃな、直人。」
「ぃえ。」
勇輝はさっさと歩く
「直人、まったなー♪」
爽也機嫌いいな…
「ごめんね、直人くん。」
私はパンっと手を
合わして謝る。
「全然いいっすよ、てか百合さんまた俺と会ってくれません?」
「え?それこそ全然いいけど。」
私たちは勇輝の
見てないところで
アドレスを交換した。