あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】
◆体育委員
ある日のこと
先生は 何気なくSHLを始めた
いつもの様に私は
先生の話を全く聞かずに
友達と喋っていた
軽ーく聞いていると 先生は体育大会の話を し始めたみたいだ
私たちは喋り続ける
「誰か体育委員やりたいやつはいないのかー?」
先生は大声で 叫んだ
周りを見渡したが
誰も手を挙げないどころか
全くの無視
「まあ当たり前だよね」 と私はホッとし
友達の方に向き直った
キーンコーンカーンコーン
よし来た!
SHL終了のチャイムが鳴った
一組の奈美に古文の教科書 借りにいこー
と立ち上がった時
「おいっ黒川!黒川百合!」
いきなりフルネームで 呼ばれて私は
ビックリした
呼んだのは先生だ
「何ですか?」
「話聞いてたのかお前?」
「はい!ばっちりです」
何のことか分かんないけど
「ほー?まあいい。 任したぞ」
何を?
そう思ったけど、 早く一組に行きたい 一心でてきとーに流しといた
奈美に教科書を借り 教室に戻って来ると 教室が一瞬ざわめいた
「良かったじゃん!百合」
「え?何が?」
私は同じクラスで 一番仲のいい千香に 意味のわからない質問
をされて戸惑った
「何が?って体育委員に決まってるじゃん」
当たり前かのように 千香は言う
「体育委員?誰が?」
「あんた寝てたんじゃないの?」