あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】



私!?


奈美じゃなくて?


奈美も不機嫌そうな


顔をする。


「百合、奈美の


爽くん取っちゃダメ。」


なにこの生き物、


かっわい////////


ぷくーとほっぺを


膨らまして奈美が言う


「何言ってんの?奈美。

ほら百合早く…。」


爽也が急かす


呼ばれてるんだから


行かなきゃね…


「勇輝放してってば。


ちょっと行ってくるし」


「あっ?あぁ。」


やってきたのは


観覧車の真下


ちょーど影になってて


少し涼しい。


「どしたの?」


私は聞く。


――――――――――――――


*勇輝side


奈美と2人っきりとか


初めて…


なんか緊張すんな。


「わーんっ」



「!?」


へっ?


奈美がいきなり


泣き出した。


「えっ!!?


どしたんだよ?」


「爽くん…私のこと


見てくれないーー


あ~んっっグスッ」


女ってすぐ泣くから


嫌い…。


まぁ紙一重で


そこが可愛かったり


するんだけどさ…


つーか


「爽也、お前のこと


めっちゃ大事に


してるくね?」


「…え゛?」


いやだってホラ


「普通に危ない方


歩いたりとか、


乗り物乗ってない時とか


ジッと見てたりとか…


不安そうな顔の時は


自分から話しかけたり


とかさ。」


言ってて俺ストーカー


みたいなってきたな…


いや、マジで洞察力


すげーわ俺。


「え?どこで?いつ?」


…こいつも百合と

いっしょで天然か…






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