あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】
そのあと、
私たちは何もなかった
かのように戻った。
「おせぇ…」
当然のごとく
機嫌の悪い勇輝の顔。
つうか、なんで
そんな精根尽き果てた
顔してんの!?
「…ごめん。」
「何もしてねぇだろうな
爽也ぁ?」
ビクッとなる私。
正直者ーっっ
爽也は普通の顔で
「何もあるわけないだろ。
普通の話し合いじゃボケ。」
なんて言ってる
見習わなきゃ…
嘘つけないなんて
この先苦労するだろうしね
↑そこ!?
「ふぅ~ん?」
あっヤバ
勇輝怒ってるかも…
「てか、何で
奈美泣いてんの!?」
爽也が叫んだ
泣いてる!?
あ、マジだ…
泣きあとあるし。
誰が…って言うと…
勇輝が焦り出す
「おっお前らなに俺の方
見てんだよっ!!
俺じゃねぇぞ!?」
「…テメェ。」
「話聞いてたか爽也!?」
爽也がつかみかかる。
えっ!?勇輝なの?
勇輝じゃないの?
「だからー、奈美が
勝手に泣いたんだよ。
慰めんの大変だったん
だからなっ!!」
へ?
「信じねー。」
爽也本気じゃん~
すると奈美が
口を開いた。
「ほんとだよ…?
奈美が勝手に泣いたんだ。」
えっ!?
「なんで?」
爽也が優しく聞く。
「俺には?
謝れや!? おいっ!!」
勇輝キレてる…
「まぁまぁ。」
私は宥める
爽也ごう無視!
「アイツ殺す!!」
やーダメだってー