あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】



「んで?」


俺は聞く。


「えと…


それから梨央ちゃんは、

『お兄ちゃんって、


彼女作らないで通って


るじゃないですか?


振った数何百人とか…』」

振った数何百人!?


何それ!


えっそれで通ってんの


俺!?


本人なのに知らねーんだけど

そんな話…。


百合は当たり前のように


続ける。


「『でも、ヤンキーの


世界ではそうでもない


みたいで…。


ヤンキーの女友達は


いっぱい家に連れ込んで


るんですよ…。


だから百合さんが


彼女って聞いて私、


ビックリして…


あの…失礼ですけど


まともな彼女がいると思っ

てなかったんで。』って

言われてー」


「はぁ!?」


梨央殺す…。


で、なんで梨央が


泣いてんの?


まだ分かんねえ。


「まぁそれから…」


――――――――――――――

*百合side


「あのねぇ梨央ちゃん?」


オロオロした顔の


梨央ちゃんに話しかける


「ショックですよね…


いきなりこんな話して


悪いと思っています。


でも、百合さんには


ほんとの事知っていて


欲しかったんです。」


今にも泣き出しそうな


声で言った


梨央ちゃんに


私は間髪入れずに


話し出した。


「私前にも違う人に


それ言われたよ?」


そう。実敦さんに。


梨央ちゃんは


え!?って顔で


私を見る。


「えっ、なら彼女いっぱい

いるって分かってて付き合

ってるんですか!?」


そっち?


まだ嘘つきますか…。









< 237 / 310 >

この作品をシェア

pagetop