あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】
「おぅ、おっはよ。」
勇輝が私の肩をポンと
叩く。
私はニコッと笑って
「おはよ♪」と言う。
「もー明後日じゃん!?
やべー、楽しみパねぇ」
なるほど、だからその笑顔。
いつもより教室の周りに
女子が群がってる…
まさに目がハートだ。
「ん、なんかあった?」
え!?
「へ、何もないよ?」
「ふーん。勘違いかな?
なんかあったら言えよ」
「はぁーい」
ヤバい。エスパーは
健在だ…
「んじゃ、土日覚悟しろよ?」
って言ってスタスタと
歩いて行ってしまった。
何の覚悟だ??
てか、今の言葉で廊下や
教室の何人かがノックアウト
してるよ。鼻血出してるし…
大丈夫??
にしても、私ちゃんと
笑えてたかな。
そこら中から話が
聞こえて来る…
「土日って旅行行くんでしょ。
いーよねー、好かれてる人は」
「私も一度でいいから
勇輝サマに抱かれたーい//」
「もーマジそれー」
「つか黒川くんを
あいつが独り占めとか
ほんとウザいんだけど。
消えろ、ブス」
「ヤダ、聞こえるよぉ?
つか今更じゃない??」
「そーだけど、やっぱ
慣れないし。黒川くん
が誰かのものになるなんて」
「だよねぇ、心底死ねって
感じー」
「あんたも言ってるじゃん!」
「だってぇ、真剣に考えたら
ほんとに思うもん!ていうか
私のが100倍可愛いしぃ」
「その話しめっちゃ共感
出来る~、入れてー」
「あーウザいよね、
黒川百合。マジどーやって
入れ込んだのかな?」
「もぉ、マジキモイー」
言いつつチラチラ見てくる
勇輝が教室にいない時は
いつもこう。
これも、なくなるんだ…