あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】
「…あ、うん」
何だろ?お願いとか
かな。
勇輝はいきなり
ヒシッて抱きしめてきた
「わっ」
ビックリしたぁ
「あのさぁ…」
「うん」
何言われるんだろ…
「俺、百合の思考が
読めるって何回言った?」
「えっ!?」
「お前の考えてること
なんて全部分かるん
だぜ?」
「っほんとにっ!
ほんとに…別れたいもん」
「…俺さぁ。ヤンキー
やめようと思うんだ」
「は?ええ゛!?」
何でいきなり??
「俺の中での1番は百合。
両立なんて、どっちも
無駄に困らせるじゃん!?
それに、ヤンキーやって
たのは何か夢中になれる
もんが欲しかったから。
夢中になれるもん、
出来たしな。」
ニコッとこっちを見る
「そんなっ、私なんて」
「俺は百合が守れれば
それでいんだよ??」
「そんなのっ、ダメ…」
「何がダメ?」
「私の為に大切な物を
失わないで。それに
勇輝に憧れている人
だっていっぱいいるん
だから」
「んなの関係ねぇ!
俺の人生だ。俺の
したいようにやるさ」
真っ直ぐな瞳。
「でも、私には好きな
人が…」
顔を背ける私の手を
グイッと引っ張る。
「俺の為にしてくれてん
だろ?」
「自意識過剰っ!
私の為なの!」
「自意識過剰でわりぃな?
じゃ、百合が俺の為に
別れるとして…」
違うよ。ほんとに
私の為なんだよ?
勇輝は優しすぎるよ…